ハチに刺されました。

痛い。

そして、腹が立つ。

蜂に刺されてしまいました。しかも2ヶ所も。

皆様も気をつけてください。

今回は、刺された時の防備録です。

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刺された時の応急処置

1、針を抜く

スズメバチアシナガバチは刺しても針は残らないことが多い。残るのはミツバチ。

もし残っていたら毛抜き等で抜き取る。もしくは刺された手や足を振って遠心力で振り落とす。

指で抜こうとして、逆に押し込まないこと。

 

2、流水で傷口を洗い流す

蜂毒は水溶性で水に流れ出やすいので、傷口を搾り出すように流水で洗い流す。

5~10分ぐらい。

よく漫画であるような口で毒を吸い出すような行為は、歯茎などから毒が吸収され顔に症状が出る危険性があるので止めること。

消毒のためにアンモニアで洗う行為も避けること。

 

以上です。

緊急でない場合も、一応、皮膚科に受診しましょう。抗ヒスタミン剤やアレルギーを抑える薬がだされるでしょう。アレルギー症状が見られる場合はアレルギー科が適切でしょう。

 

 

緊急を要する場合

アナフィラキシーショックを起こした場合です。

アナフィラキシーはアレルギー反応を激しく起こした症状で、吐き気、腹痛、めまい、しびれ、呼吸困難、全身の腫れなどの全身症状がでます。

重症化すると意識消失、血圧低下、不整脈から心肺停止に至ることがあります。

アナフィラキシーはアレルギー反応なので、それぞれ各自が持っているアレルギー症状によってアレルゲンは違います。蜂毒以外にも食物アレルギーや、薬剤アレルギーなど色々とあります。

ただし、ショックが起こった場合の心肺停止に至るまでの時間がアレルゲンによって違っていて、薬物で5分、蜂毒で15分、食物で30分といわれています。

蜂毒の場合、死致的なショック症状は15分以内には起こり、30分以内に処置をしないと心肺停止に至るリスクがかなり高まるとされています。

 

アナフィラキシーショックからの助かり方

アドレナリン自己注射薬を自分で太もも前外側に打つ。これは「エピペン」という筋肉注射です。

ご自身が蜂特異的IgE抗体に陽性かを前もって調べておく必要があります。IgE抗体は免疫を司るたんぱく質の1種で、過剰な反応でアレルギー症状を引き起こします。

アドレナリン自己注射薬は医師の処方がないと日本では買えないので、まず受診しないいけないのです。幸い保険適用です。

あと、すぐに打てるように携帯していないといけません。

 

とにかく救急車を呼ぶ

とにかく時間がないので、すぐ呼びます。連絡する際、自身が蜂アレルギーのアナフィラキシーショックであることを告げましょう。

 

 

蜂毒のアナフィラキシーショックの疫学

「蜂に2度刺されるとアナフィラキシーショックで死ぬ」という文面がネットを見るとほとんどに載っていて、1回刺されると次はもう命無いのか、人生終わった~みたいな気になりますが、実際のところはどうなんでしょう?

そこのところを調べてみます。これを疫学といいます。

 

蜂毒ショック死の危険性

・蜂でのショック死は日本では毎年20名前後といわれています。

外国の調査では、

・1回蜂に刺された人が2回目刺されると、全身症状を出す確立は10~20%になり、その際、蜂特異的 IgE 抗体検査の陽性は 85%以上になるとそうです。

日本での調査では、

・栃木県農山林地域8万人の調査で人口の0.36%が蜂毒アレルギー反応を示しました。

林野庁の職員40382名の調査では、67.5%が蜂に刺されたことがあり、内11.8%が(3034 名)がショック症状を起こしたとあります。

福島県、栃木県の調査では、林業・木材製造業従事者の91.5%,電気工事従事者の 82.8%が蜂に刺されたことがあり、その中で林業・木材製造業従事者の 21.0%,電気工事従事者の 14.4%に全身アナフィラキシー症状の出現し、またスズメバチおよびアシナガバチ特異的 IgE 抗体の検査では,林業・木材製造業従事者の約 40%,電気工事従事者の約 30%が陽性であったそうです。

以上より、複数回の蜂刺されによりIgE抗体ができるのは30~40%で、その内10~20%は全身アナフィラキシー症状を発症する危険がある、ということがいえると思います。

また、全身性のアナフィラキシー症状を発症した内で意識消失まで起こすものは2~3%といわれています。

これらの情報を元にアナフィラキシーショックを起こし、致死リスクがある割合を計算してみると、

複数回刺され蜂毒IgE抗体がある人の割合0.4×全身アナフィラキシーの発作が出る人の割合0.2×重篤な症状を出す人の割合0.03=0.0024となります。0.24%ということは蜂に複数刺された1000人のうちに致死性ショックを起こす人は2.4人ってことになると思いますが、いかがでしょうか?合っているのかな?

約500人に1人が蜂に刺されたアナフィラキシーショックで亡くなる可能性があるとすると、年間20人近くの人が蜂でのショック死があるという統計からして、単純計算で最低でも毎年10000人くらいの人が蜂に刺されてるってことになります。

ちょっと前に毒アリの「ヒアリ」が話題になっていましたが、ハチも立派な害虫じゃないですか。特にスズメバチアシナガバチは徹底的に駆除したほうが良いですよ。

 

蜂毒アナフィラキシーを起こさない人

前述の情報を元にすると、1回蜂に刺されても蜂毒IgE抗体ができない人が60%はいることになります。抗体ができてる人のなかでも全身アナフィラキシーの発作が出るは20%なので、全体の8%程度ということで、逆に全身アナフィラキシーの発作が出ない人は92%になると計算されます。

蜂に2回刺された人が100人いてもその内92人はアナフィラキシーを起こさないという推測がたちます。症状を起こす8%が多いか少ないかは個人の受け取り方で違ってきますが、「次、蜂に刺されたら死ぬ」と悲観的になる数字ではないともいえます。

また、外国の報告によると蜂に刺されて死亡する人は、多数回刺された人より初回で刺された場合の方が多いというのがあります。ただし、全身症状が1回出た人は次回蜂に刺されると、60%の人は症状が重症化する傾向にあります。気を付けるに越したことは無いですね。

再度蜂に刺されるまでの期間が短いとアナフィラキシーが発症しやすく、逆に期間が長くなるほど症状の出現率や蜂毒IgE抗体の陽性率が減少するということが分かっています。

このような調査結果が発表されてますので、悲観するほどではないけど、楽観的に考えすぎるのもよくないみたいです。特にアナフィラキシーで全身症状が出た人は、ある程度注意してなるべく蜂に刺される状況は避けた方が無難ではあると言えるでしょう。

 

 

オマケ

因みに、私の場合はどういった状況で刺されたかというと、自宅の庭で干してた布団をひっくり返そうと布団を持ち上げた瞬間に、布団の陰に隠れていたのか、周りの庭木に隠れていたのか分かりませんが、突然目の前にハチが3~4匹現れました。その瞬間には、左モモの内側と右肩の部分にビリッと電撃痛が走りました。

「蜂に近づくとまず威嚇するように羽音がするので、相手を刺激しないようにゆっくり静かにその場を離れましょう」みたいな説明をよく受けますが、今回はそのような猶予はなく、いきなり現れて速攻で刺される、という感じした。

以前から庭に1~2匹くらい蜂飛んでるな~とは思っていましたが、どっかから流れてきたのだろうくらいの気持ちで特に気にもしていませんでした。刺された次の日も庭を覗いてみたら5匹くらい飛んでいたので、巣ができてしまったようです。怖いよ~。

巣の場所が特定できていませんが、すぐ駆除屋さんに頼みました。

皆様もご注意下さい。

 

刺されて2日目。内モモ中央の赤い部分。

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では、今回はこの辺で。

 

追伸

本日、業者に駆除してもらいました。

スズメ蜂でした。

直径15cmくらいの巣ができてました。

 

傍から見てたけど、スズメバチの巣の駆除は絶対業者に頼むべきですね。あれは素人ではまず無理だと思いました。